初めて来た人へ

       ハルデスカ!?

七草家は、七人家族だ。
長男 スズシロ、大学1年。
次男 ハコベ、高校2年。
長女 セリ、高校1年。
双子 ナズナ、中学3年。
   スズナ、中学3年。


 
スズシロとセリ シスコンデスカ!?

「腹へったぁ〜」カズが口を開く。
 あたりは暗く、人影がなかった。
「本当っ、腹へったなー」リョウがスズシロの方を向きながら言った。
「なぁ、お前の家近いよねっ。スズシロッッ」アスカもスズシロの方を向きにやにや笑った。
「スズシロの家で飯食いてぇ」
『賛成!!』スズシロ以外の4人が満面の笑顔で言った。
「だめだ」スズシロがあきれた顔でため息混じりに言った。
「なんでぇーーーーー」カズが甘えた声を出した。
「お前ら4人も家にあげれるか」
 5人は、幼なじみで大学は違うが今でも仲がよく、いつも5人で行動する。男5人は現在彼女がいない。だからってさみしいわけではなかった。
「ねぇー、いいでしょっっ。スズシロくん!!」カズがアマエル。
「だめだ。つーかお前らの狙いは・・・・・」
「もういいっっスズシロの家まで走れっっっ!!!!」リョウが走り出した。
『賛成!!』みんなも走り出した。
「おっ!ちょっと待てよお前らっっ」スズシロも走り出した。

『ごめんくださーい』スズシロ家の玄関で声をあわせて言う。
「あら、スズシロは?」奥からスズシロの母親らしき30代くらいの若い感じの女性が出てきた。
「つーかってめえら、走るの速いし・・・・」あとからスズシロが息をきらしてきた。
「あっおかえりースズシロ」
『おかえりー』
「さぁみんなあがってご飯食べてって」
『はぁ〜い』
「ちょっと待てよ!!!」

「おいしいですねぇーー。いつ食べても」アスカはしきりにいろいろな方向を見ている。他の3人も何かを探すように同じ動きをしている。それをスズシロはなぜかにらんでいる。
「そういや妹さんたちは??」ユウがサングラスを光らせて言った。
「ナズナとスズナはまだ部活、セリは勉強してるわ」
「へぇ、そうなんですかぁ」カズがニヤッと笑った。
「ねぇ、スズシロの部屋行っていい?」
『賛成!!』
「早く帰れよっ」スズシロはため息をもらした。

「ごちそうサマ〜」
「あぁ、うまかった」
「スズシロの部屋行こっ」そうして廊下に出た。
『あっセリちゃん?』みんなが目を輝かせた。
 軽く礼をしてこっちにゆっくりと近づいてきた。
「いつもかわいいねっ」そう言いセリの細くてきれいな髪に触れる。
「えっそんなぁ」セリは下を向き耳を赤く染めた。
「てめぇら、よくそんな恥ずかしげなこと言えるな、ほら行くぞっ」スズシロは眉をひそめる。
「えぇっそんなぁん」カズがスズシロにすがりつく。
「セリちゃんあとでなっっ」
「あとはねぇよっっ」スズシロの声に苛立ちがこもる。
「いいじゃんかっスズシロ」スズシロは横を向くと速度を上げて歩き出した。
「ほらあっちだぞっ俺の部屋っ」そう言って無理やりみんなを部屋に連れ込んだ。

「はぁ〜っセリちゃんかわいいなっ」リョウが微かに笑みを浮かべて言った。
「ねぇねぇセリちゃん彼氏いる?」
「知らねぇよっ」
 うるせぇなぁ。
「あぁーあんな可愛い妹ほしいなーー」ユウがそう言った。
「けど妹じゃあいい関係なれねーじゃん」
 スズシロは顔を下げた。
 変な気分・・・・・。
「けどさぁ、結婚までいかなきゃ何やってもいいんじゃねーの」リョウがほおづえをつきながら言った。
「えっ何やるの??教えて」アスカがフザケル。
「ばーかアスカてめぇ何考えてんだよっ」
「年頃だもん」
「下ネタかよっっ」リョウが笑いながら突っ込む。
 みんなで笑いながら話してる時ドアが開く音が聞こえた。
『セッセリちゃん!!』みんなは驚いた。
「あっすいません、お兄ちゃん辞書貸して」
「あっわかった」
「ねぇねぇセリちゃん」
「何ですか?」軽く首をかしげる。
「この5人の中で好きな人いる?」
「うわっ大胆、スズシロも入ってるし」
「えぇっ」セリは一瞬困ったような顔をして「みんな好きですよ」と満面の笑顔きれいな長い髪をゆらして言った。テクニックの様な感じもするが多分本人は素でやっているのだろう。
「セリちゃんかわいいー」
「今どきってしたーー」アスカが真っ赤な顔で言う。
 スズシロは下を向いた。
 セリを見てると顔が熱くなる・・・・。
「ほらっお前は早く行けよっ」セリに辞書を押し付けた。
「あっ。わかった。サヨナラー」お辞儀をして出てった。
『またね〜』みんなは笑顔で手を振った。それをスズシロは軽くにらんだ。
 何がまたねだっ。
「お兄さんだって、かわいい」背筋を伸ばしてベッドに倒れこんだ。
「本当いいっあーゆうのっ」
 スズシロは静かに呼吸して下を向いた。
 何かムカつく・・・・。
「・・・・・・・ねえスズシロ話しあんだけど・・・」カズがいきなり言った。まばたきもせずにスズシロを見つめていた。
「えっ何」スズシロは、視線がそらせなかった。
「まず廊下に出てっ」カズは立ち上がった。
「何だよ」スズシロは数の言うとおり廊下に出た。廊下には誰もいなかった。
「ねぇスズシロってセリちゃんの事すきだろ」
「はっ!?」カズは話し続ける。
「でしょっ。バレバレだってぇ」
「んな訳・・・・・あるかも」
「うわっ正直だねー」カズは吹き出した。
「うっ」
「言えばっ」
「ん?」
「セリちゃんに好きって言えば」
「はっ無理だろっ」
「なんでっ今、微妙でしょ」
「だからって、それに気まずくなるじゃん」
「兄妹じゃん、それに進まないよ何も」
「うっけどー」スズシロはカズの言っている事がわからなかった。
「別に何も怖い事ないよっ」カズは表情を少し引き締めた。
 俺って何してんだろう。セリちゃんのことは好き・・・・・・・・・。まぁスズシロとセリちゃんってのも悪くないなっ・・・・・・・。
「わかった?」
「あぁ・・・なんとなく」カズが笑った。
「じゃあ俺らは帰ろうかな♪」
「えっ」
「がんばってよ」
「今すぐなの??えっっ?」
「おいっなにしての?なげーよ」リョウが顔を出した。
「もしかして危ない関係???きゃっ?」アスカはすこしおどけてみせた。
「てめぇがあぶねぇよっ」ユウも出てきた。
「みんな帰るよん☆★」
『えっもう?????』
「そう。じゃあねスズシロっっ」
「あっじゃあな」
「え〜まぁいっか、じゃあな」
「おうっ。」みんなは帰っていった・・・・。
 ドクドク・・・いやゾクゾクする。
 スズシロはセリの部屋の前に立った。
 いやっ、別に言わなくていいんだよな。どうしよう。つーか今日じゃまくてもいいし・・・・・。どうしよう。
 ドアが開いた。中からセリが出てきた。
「んっあれっお兄ちゃん何してるの????」首をかしげ髪を揺らした。
「えっっいやっ、あのっ、はっ話があって・・・・・」心臓が揺れた。
「私もお兄ちゃんに話があって・・・・」
「えっ!?」

 空は真っ暗だった。
「あぁーーもっとセリちゃんと一緒にいたかったなぁぁ」リョウが星を見ながら言う。
「つーかさぁっスズシロってセリちゃんの事好きなんだろ」
「あたり・・・・・・」カズは驚きもせず言う。少し笑っていた。
「えっっんなの!?」
「アスカ鈍感」
「そうゆうリョウくんは気づいてたんだぁーー」
「うん、まあ」
「ふーんじゃあね」
「じゃあなっ」そう言ってバラバラに帰っていった。

「う〜ん、気になる」カズは布団の上に転がる。
「やっぱり行こう」スズシロの家に向かった。

 スズシロ家の玄関先に5人が集まっていた。
「って何でみんないるの。玄関集合??」
「えへへ 実はカズとスズシロの会話をこっそり聞いてたのです。それで気になって」
「俺も」
「まっいっか」みんなは笑い出した。
『ごめんくださーい、忘れ物を取りに来ました』

「セリちゃんの部屋から声聞こえる・・・」
「本当だ、どれどれ。」ドアに耳をあてて息を潜めた。
「えっだめだよぅ、お兄ちゃん」セリの声が部屋から聞こえる。
「だめって何が??」興味津々に聞く。
「セリ・・・・・・・・・・・ほしいんだ・・・・・・・・」スズシロの声が聞こえた。
「!?」耳を疑った。
「えっ何、これもしかして・・・」ユウが顔をしかめた。
「ほら早くっ、別にいいじゃんか」激しく動く音がする。
「やばくねっこれって・・・・・」ゴクリと喉をならした。
「レイプ!!」アスカが声をあげた。
「声でかい」
「ちょっと止めない?」
「ああ、そろそろっ」
「でも、もしすごい姿になってたら・・・・」
「でもセリちゃん嫌がってたし・・・・・」
「いやっそうゆうプレイなのかもよ、いわゆるSMってやつ」
「ばかっ、まず行くぞ。スズシロを信じろっ」
「この状況でどう信じんの???」
「行くぞ!」
『やめろよ、スズシロ!!!!!!!!!』部屋に無我夢中で飛び込んだ。
「はっ!?お前ら何でいるの??」
「えっ、だって・・・・何やってるの?」
「セリがクッキーを作ったから」
『クッキー!?』
「クッキー作ったらこげちゃって捨てようか迷ってたらお兄ちゃんがほしいって言うから」セリはボロボロのクッキーを出した。
「どうしたの???」
「別に」カズはため息を飲み込む。
「俺、帰る~」
「俺も疲れたー」
「何だったの???」
『じゃあな〜』
「さようならー。何だったんだろうね・・・」
「さぁ」スズシロはクスクス笑った後、首を回して骨を鳴らした。
「俺も何か疲れた」
「おやすみ」
「あぁ」

 


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